【銘柄分析】アッヴィ(ABBV)の業績・増配率推移一覧
アッヴィ(ABBV)の財務データを分析してみましたので、以下内容をサマリーします。
①P/L情報
売上高は右肩上がりとなっており、また本業の儲けである営業利益も堅調に推移しています。
なお同社は、2020年までの調整後EPSが2桁の伸びを続けると発表しており、今後の展開に期待したいところです。
②P/L比率分析
粗利は80%台、営業利益率は約30%台で推移しており、ヘルスケア産業らしい高収益体質であることが分かります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザーなどのヘルスケア銘柄同様に、この高い営業利益率は非常に秀逸です。
③キャッシュフロー分析
営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともに非常に高い水準で安定推移しています。
製薬企業のキャッシュを稼ぐ力はどのセクターにも引けを取らないくらい優れており、特にアッヴィは研究開発型企業であるにも関わらず、フリーキャッシュフロー創出能力は同業他社と比較しても高水準です。
④1株当たり情報
EPSはバラツキがありますが、DPSは着実に増配を続けています。
⑤増配率推移
2013年にアボットラボラトリーズから分社化したため、アッヴィとしての増配率推移は過去4年分のみとなります。
分社化された後でも、近年は2桁台の増配率を維持しており、さらに2018年初頭には脅威の35.2%大増配が行われました。
⑥チャート
2017年までは株価も緩やかな動きとなっていましたが、同社の主力商品である関節リウマチ治療薬のヒュミラ特許切れ後の懸念が払拭された影響で、株価は一気に100ドル越えを果たしました。
総括
アッヴィは2013年に前身のアボットラボラトリーズから分社化して設立された、研究開発型バイオ医薬品企業です。
主力商品である関節リウマチ治療薬のヒュミラや、血液がん治療薬のイムブルビカなどを製品群に擁しており、他にはC型肝炎やHIVなどの分野でも研究開発に取り組んでいます。
近年では同社の中でも売上高の60%以上を占めるヒュミラの特許切れ問題が懸念されておりますが、バイオシミラー(バイオ後続品)の開発は一般的にジェネリック(後発医薬品)と比較して難易度が高いことを背景に、ヒュミラ特許切れ後も安定した収益は維持される見込みが高いと考えられます。
さらに同社ではヒュミラに代わる新薬の開発にも積極的に取り組んでおり、ヒュミラによる競争優位性と新薬開発による今後の成長性、株主還元の安定性を兼ね備えた優良銘柄であると言えるでしょう。