【銘柄分析】AT&T(T)の業績・増配率推移一覧
AT&T(T)の財務データを分析してみましたので、以下内容をサマリーします。
①P/L情報
売上高は近年増加傾向にあり、コンテンツビジネス強化のために、2015年にディレクTVを買収したことが売上増に寄与しています。
なおAT&Tは地域別売上で米国が9割を占めるため、為替の影響はほとんど受けません。
②P/L比率分析
粗利は50%台、営業利益率は約10%前後で推移しています。
米国内ではすでにスマートフォン普及率は100%超え、ネットワーク普及率も90%以上となっているため、既存の通信事業のみでは頭打ちなのが悩ましいところです。
③キャッシュフロー分析
営業キャッシュフローは安定推移していますが、やはり設備投資や買収コストが多額に発生しているため、フリーキャッシュフローは少なめの水準となっています。
とはいえ、フリーキャッシュフローが意外にも安定して推移していることから、配当の原資はまだまだ余力があるようです。
④1株当たり情報
EPSは毎年バラツキが出ており、年度によっては配当性向が100%を超えるときもあります。
一方でDPSはわずかばかりの増加率ですが、右肩上がりとなっています。
⑤増配率推移
増配率は近年2%台で推移しており、安定してはいますが、ちょっと物足りないですね。
⑥チャート
最後にチャート情報です。
AT&Tの過去10年チャートを見ると、大体25ドル〜44ドルのレンジで推移しています。
大きな株価上昇は期待できない代わりに、毎期安定した四半期配当が期待できるため、インカムゲイン投資にはうってつけの銘柄です。
総括
AT&Tは直近の水準だと配当利回り5%越え、連続増配年数30年超となっており、配当貴族銘柄として米国株投資家には人気です。
しかし高配当の一方で、通信事業のマーケットは成長が頭打ちとなっており、近年ではディレクTV買収によるコンテンツビジネスの強化などに戦略シフトしています。
コンテンツビジネスはすでに競争環境が熾烈化していますが、その中で後発組である同社がどれだけ自社サービスに取り込めるかが鍵となります。
現時点でAT&Tの将来的なシナリオは推測できませんが、少なくとも配当による株主還元だけは今後も続けて欲しいものです。