【銘柄分析】エクソンモービル(XOM)の業績・増配率推移一覧
エクソンモービル(XOM)の財務データを分析してみましたので、以下内容をサマリーします。
①P/L情報
昨今の原油価格下落に伴い、売上高は近年減少傾向にあり、また営業利益や純利益も同様に減少しています。
エネルギー業界最大手の同社でも、なんとか利益だけはプラスをキープするのが精一杯という厳しい状況です。
②P/L比率分析
粗利は30%台、営業利益率は約10%前後で推移しています。
原油価格に振り回されやすい事業環境であるにも関わらず、意外にも利益率は安定して推移していることがグラフから読み取れます。
③キャッシュフロー分析
エクソンモービルの事業構成の内、約6割が上流(探鉱、開発生産など)のため、必然的に設備投資に莫大な費用がかかります。
そのためフリーキャッシュフローの数値は低くなりがちですが、それでも毎期確実にフリーキャッシュがプラスであるため、株主に還元するための配当原資がしっかりと賄えていることが分かります。
④1株当たり情報
EPSは毎年バラツキが出ており、配当性向が100%を超えるときもありました。
一方でDPSはわずかばかりの増加率ですが、右肩上がりとなっています。
⑤増配率推移
増配率は昨今の業績低迷を受けて、近年では低下の一途を辿っており、少し物足りないですね。
⑥チャート
最後にチャート情報です。
リーマンショック以降は株価が右肩上がりとなりましたが、原油価格下落の市況を反映するかのように、2014年以降は株価が軟調な展開となっています。
総括
エクソンモービルは世界最大の石油メジャーであり、連続増配年数35年以上の優良企業です。
しかし最近では石油価格の変動による収益性の悪化や、代替エネルギーの可能性、地政学リスクの台頭、などというような不安要素が叫ばれるようになり、株価もそれに呼応するかのように軟調となっています。
石油ビジネスの将来性については様々な憶測が叫ばれていますが、エクソンモービルがいかなる状況に置かれても株主還元をし続ける限り、個人的には長期で保有したい銘柄の一つです。