会社人生や投資で成功したければ『敗者のゲーム』を実践しろ
会社人生がうまくいかず、早期リタイアを目指して株式投資をする人が最近増えてきました。
私自身も不器用な人間であるため、20代の頃はなかなか会社の組織というものに馴染めず、しまいには2回も転職してしまった経験があります。
会社人生がうまくいかなくなると、毎日否応なしに余計な人間関係のストレスを感じるようになりますし、何より言いようのない閉塞感や怠情な日々に嫌気がさし、しまいには将来への不安に押しつぶされてしまうこともあるでしょう。
特に最近会社員デビューした新人さんなどは、ようやく会社生活に慣れた人もいれば、早くも鬱気味になって先行き不安になっている人もいます。
そんな現状から一念発起して、将来早期リタイアを目指して投資を始めるのは理にかなっていると思います。
しかし会社員として働きながら投資をするとなると、初心者の場合、毎日株価の値動きが気になって本業に支障が出る、という悪循環に陥る人も多いです。
そこで今回はサラリーマンとして働きながら、投資でも成功する考え方を紹介することにします。
会社人生と投資で成功するカギは『敗者のゲーム』にある
投資家の間でも非常に有名な本の一つに、『敗者のゲーム(チャールズ・エリス著)」という書籍があります。
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エリス氏は著書の中で、投資をテニスに例えてテニスには2つのゲームが存在すると主張しています。
一つは、プロのテニスプレーヤー同士が戦う「勝者のゲーム」です。
一般にプロの試合では、お互いの選手が卓越したスキルと技量を兼ね備えているため、いざ試合が始まると、緩急を混ぜたスマッシュや、コーナーギリギリのショットなど、より技術の高いプレーで圧倒した選手が勝者となります。
もう一つは、素人同士の試合です。
私を含めてズブな素人がプレーするテニスは、とにかく相手のコートにボールを打ち返すだけでも一苦労です。
そのため、このような素人同士の試合ではいかにミスをしないでプレーをするかが勝敗のカギとなります。
これをエリス氏は「敗者のゲーム」と呼んでいます。
つまり投資で勝つためには、プロのような試合をするのでなく、常にミスを避ける敗者のゲームをした方が良い、というのがエリス氏の主張なのです。
では投資でいうミスを避ける投資法とは何かというと、それは日経平均やダウなどの市場平均に投資する、ということです。
例えば1957年から2003年の期間でNYダウへの投資をした場合、年率12%のリターンになったという事例があるくらいなので、確かにエリス氏が主張する「敗者のゲーム」は投資で成功するカギになると言えます。
また敗者のゲームを会社生活に適用すると、常に良い成果を出し続けるスーパーサラリーマンを目指すのではなく、いかにミスをしないで会社人生をドライブするか、ということに力点を置くことになります。
このような話を中年世代が聞くと、
「チャレンジ精神がない奴だ!」
「あいつには積極性と主体性が全く感じられない!」
などとのたまわれるでしょうが、変に意気込んで難しい仕事にチャレンジして自滅するよりも、平均的な仕事をソツなくこなしている方が査定に響かないので、サラリーマンこそ敗者のゲームを実践するべきなのです。
ちなみに私は毎日定時でササッと帰宅するやる気のない冷めたサラリーマンですが、その根底にはこの敗者のゲームの考え方があります。
平均的な仕事をソツなくこなして、さっさと定時で帰宅し、家に帰ると妻との団欒の時間や投資の勉強、晩酌など、好きなことに時間を使います。
あなたも今日から「平均」を目指した生き方を始めてみませんか?